成長軌道プログラム導入レポート

成長軌道プログラム導入レポートとは?

ホームページ「お客様の声」に掲載されている企業様は、成長軌道プログラムを導入されて5年~20年経過されています。決して順調な滑り出しとは言えなかったものの、運用しながら工夫、改善、見直しの微差・僅差を積み重ねてきました。そして気が付いたら社内外の予想を大きく上回るケタ違いの成長を達成し、現在も成長は持続し、更に加速しています。

この成長軌道プログラム導入レポートは、
◆成長軌道構築プログラム終了時点の戦略メンバーやリーダーとして伴走している経営者にヒアリングしたもの
◆成長軌道構築プログラムが終了した後、社内に導入・展開し6カ月経過した戦略メンバー及び経営者にアンケートあるいはオンラインでインタビューしたものです。

成長軌道プログラムは短期的な成果を期待するものではありませんので、この段階でのレポートには無理があるかもしれません。しかし、更に1年後・3年後・5年後と継続してモニターしていくことで、ケタ違いの成長が証明できるものと考えます。従いまして、掲載企業様は、将来に向けての継続価値を期待する意味で、掲載をご了承いただいております。

レポート担当者

堀越 愛実

株式会社 自主管理経営
富山県出身。
コンサルアシスタントとしてクライアント先へ同行し、成長軌道構築プログラム導入のお手伝いをしている。

※現在レポートページ修正中※

株式会社光栄様

自主管理経営報告書を2024年4月から全社で運用をスタートしている。 情報共有量は圧倒的に増え、それにより他部門や他グループ、他者への関心が増えた。小さな出来事ややってもらってうれしかったことなど、これまで共有されていなかったことが報告書を通じて共有されるようになり、そういう点はすごく変化した。 毎月各部署の採算状況やそれに対する上司や社長のコメントを全員が見ることで、採算に対する意識が高まっている。

専務取締役 坂本 侑仁 様

https://www.korekininaru.jp

― Q1.自主管理経営報告書について

①運用状況はどうですか?(浸透・定着)

4月から全社(間接部門、製造1課、製造2課)で運用をスタートしております。

導入前に、2度全体に向けた説明。1度目は狙いや目的を中心に、2度目は実際の記入方法やコメント方法などの運用方法について行いました。

記入者の偏りがないように、各グループで工夫しながら行えていると思います。

②運用効果は出ていますか?何か良い変化は出ていますか?

情報共有量は圧倒的に増えました。それにより他部門や他グループ、他者への関心が増えたように思います。小さな出来事ややってもらってうれしかったことなど、これまで共有されていなかったことが報告書を通じて共有されるようになりそういう点はすごく変化したと思います。

また、毎月各部署の採算状況やそれに対する上司や社長のコメントを全員が見ることで、採算に対する意識が高まっているメンバーもいます。(数字を意識して、それにつながる活動ができるようになるといいなと思いながら、毎月の報告書を楽しみにしております。)

そのほかにも、ベテラン社員を中心に社内のルールができたいきさつやトラブル時の対処法など、これまで口頭で一部の人にしか伝わっていなかったことを、コミュニケーションBOXを活用し全体の共有知にしてくれているのも、とても良いことだと思っています。
また、ベテランに教わったことを、報告書に書く若手社員もいて全体の学びにもなっていますし、教えた方もさらにいろんなことを教えてあげようという風土が少しずつできているように感じます。

③今後の課題はどんなことですか(改善策)

コメントが一部の人に限られている点。
コメントは新しく入った人でも積極的に書いてくれる人、グループのリーダーでも全く書かない人とはっきり分かれている状況です。
強制的に書かせるものではないので、改めて自主管理経営報告書の目的を伝える場を設け、コメントする重要性を伝えていきたいと思います。

失敗や成功体験からの概念化、形式知化が甘いように思う。
『こんな失敗がありました。次回は注意します。』といった内容が多い印象。
本来目指す形として、次に向けての具体的なアクションやこうすれば避けることができた。こういう理由でうまくいったので、次からも続けるといった具体的な理由を示せるようになると、経験学習サイクルが回っていくと思う。
→いい記入例を取り上げて、共有するなど今後継続的に教育の場を設けていこうと考えております。

新たに入社された方への対応。
対応が間に合っておらず各部署任せになっている。改めて目的やこれまでの分を一読してどういったことを考え日々行動し、それをどう報告するかを伝えていく必要がある。
現状では、ただやらされている感が増すように感じる。

― Q2.VPマニュアルについて

①構築プロジェクトで作成したVPマニュアルは活用されていますか?

コンサル内で作成したVPマニュアルを一部活用開始。
溶接未経験で入社された社員に対し、コンサル内で作成したVPマニュアルを使い教育・指導を実施。
作成したYさん自身が教育を担当し、教育中に必要だと感じた項目の追加や中身の見直しを行ってくれています。また、Yさん自身初めて溶接の指導を行う事で、十分理解できていない部分などが明らかになり本人にとっても学びがあったようです。

Iさんが作成した生産技術(治具製作)のVPマニュアルを活用し、3名に対し生産技術者育成を現在推進中。
現在基本的にIさん一人が行っている、1品モノ(試作)製作や治具製作を行える技術者を育成している。

その他のVPマニュアルも機会を見つけ活用予定。

②他の業務への横展開はされていますか?

スポット溶接の工程へ横展開中です。作成したVPマニュアルを使用して、OJTを行っております。教える際に口頭で補足している部分や上手く説明出来なかった部分は、VPマニュアルに反映してもらっております。最適なやり方がVPマニュアルに書かれている状態にするために、作成するだけでなく運用していくことに重点を置いて活動を進めています。

― Q3.その他の仕組み(CVM・目標シート・CU)への取 組みは進んでいますか?

企業内大学は来期(2025年4月)開校予定で現在講座の再検討を始めたところです。今期の下半期は現場マネージャの研修を新たに導入し、それを企業内大学の講座に追加予定。

MSPシートは将来企業内大学に作成講座を入れていくために、有志でMSPシート作成プロセスに似た活動を開始しました。『キャリアを考えるワーキンググループ』という業務外の活動で、コンサル内でやったようにキャリアドックで自分の価値観や成長のきっかけに気づき、仲間の価値観も知り世界を広げ、10年後自分がどうなっていたいかを楽しみながら考えています。その中では経営理念ある『幸せ』って何?や『成長とは?』といった普段考えないようなことを一緒に考える機会を設けています。
このワーキンググループで得た知見やMSPを考えていく道筋をまとめMSPシートを作成する講座に展開していく予定です。

CVMは恥ずかしながら未着手状態です。
下期の私自身の取り組むべき課題になっています。4月から既存の人事考課シート(成長シート)の運用方法を一部変更し、中身を改善しており、その中身を反映した形で改めてCVMを作成する予定です。

― Q4.PJメンバーのその後の成長・活躍の様子をお聞かせく ださい。

Iさん:
前述のとおり、VPマニュアルを活用して生産技術者育成を推進中。今期より、製造部を離れ生産技術と品質保証の両部門を牽引いただく役回りとしており、今後のVPマニュアルの展開を期待しております。

Mさん:
自分で図面を書いて、治具製作をしたいという目標のために、CADを学び生産技術者育成にも手を挙げ参加してくれています。

Yさん:
会社で進めている活動に対して積極的に自分で考え行動してくれています。行動量でいうと圧倒的だと思います。報告書には全ページにコメントがあり、コメントをいただいた方はうれしく思っていると思います。
前述のVPマニュアルも実践しながら、追加の書き込みやここをこう変えないといけないなどいいマニュアルを作るために必死に取り組んでくれています。活動を積極的に行うことで、周りとのギャップが生じてしまっている現状もあり、ここについては私もちゃんと対応していかないといけないと感じております。

Fさん:
自主管理経営報告書への積極的なコメントや報告書を通じた社内への情報展開などを行ってくれています。部署においては、今期より初めて生産性改善活動を活動のリーダとして引っ張り、苦労しながらも効果を出しています。個人としても技能の幅を広げるため、他工程を学んだりしてくれているので、そこでの学びをVPマニュアルへ落とし込んでくれることを期待しています。

Iさん:
自らどんどん行動するという積極性はないものの、誠実に仕事に向き合う姿と何に対しても興味を持って取り組むので、新しい仕事がたくさん与えられています。与えられた仕事に対して、迷いながら、手助けしてもらいながらではありますが、必死に食らいついています。今後、その中での学びを言語化して報告書に落とし込んでくれることを期待して見守っています。

株式会社F社様

「私たちは、ゼロから始めた――。それでも未来の道筋を、自分たちの手で描ききった。」 私たち株式会社F社は、2024年秋から2025年初頭にかけて、全社の未来づくりに向けた「成長軌道構築プログラム」に取り組みました。これは、当社の10年先の姿を見据え、自社の強みを高める5つの仕組みを自らの力で構想・設計しようという、壮大な挑戦でした。 プロジェクトは、会長・社長をはじめ、各部門を代表する責任者4名によるチーム体制でスタート。ムーンショット(長期ビジョン)の策定、自主管理経営報告書の設計、企業内大学の構想、人事評価制度のリニューアル、そしてVPマニュアルの整備と、1つひとつのテーマに真剣に向き合いました。 しかし私たちは、仕組みづくりの“素人”でした。 考えたこともない領域に挑む中で、たびたび議論は止まり、課題提出が遅れ、期間限定のきびしさを味わいました。 それでも、誠実に、対話を重ねながら、少しずつ前に進んできました。

― ムーンショット――遠くに旗を立てて、進む覚悟を持てた

初めて「10年後の当社の姿」を言葉にした時、戸惑いの声が多く上がりました。
「遠すぎて実感が持てない」「どう進んだらいいか分からない」といった本音もありましたが、だからこそ私たちは、目の前の数字ではなく「ワクワクする未来」を描くことに集中しました。

部門に持ち帰り、社内で共有する中では、「目標を持つ」こと自体が新鮮であり、社員にとっても大きな変化となりました。
「そこにどうたどり着くかを一緒に考える」という姿勢が、職場に少しずつ芽生えていったのです。

― 「仕組みづくり」は、仕事の本質と向き合うことだった

自主管理経営報告書や企業内大学、人事評価制度など、どれも私たちにとっては未知のテーマでした。
特に「報告書」と聞けば面倒に感じ、「大学」と聞けば自分には関係ないと思ってしまう――そんな意識もありました。

それでも、一つひとつのテーマに時間をかけ、どんな目的で必要なのかをチームで話し合いながら進めるうちに、見方が変わっていきました。

「社員と対話を重ねるための報告書」
「社内の誰もが“先生”になれる大学」
「評価されるための制度ではなく、“どう育つか”を考える評価」

自分たちの言葉で考えることで、制度が「自分事」として少しずつ形になっていきました。

― 書いて、話して、つながる――変わり始めた社内の空気

今回のプロジェクトでは、とにかく「書く」ことと「話す」ことを徹底しました。
いつもなら会議でスルーされるような問いかけも、立ち止まり、意見を出し合う。
他部門のメンバーがどんな想いで動いているかを知り、互いにアドバイスを交わす――そんな時間が生まれていきました。

とくに印象的だったのは、「当社って、いい会社だな」と自然に言葉が出た場面です。
トップから「一緒につくろう」と言ってもらえたことが、メンバーの心に深く響いていました。

― まだ完成していない、だからこそ大切な“プロセスの価値”

今回の取り組みで、全ての仕組みが完成したわけではありません。
イメージを持ちきれていないもの、設計段階にとどまっているものも多くあります。

けれど、だからこそ私たちは「プロセス」にこそ意味があると感じています。
迷い、悩み、話し合い、書き直し…
その一つひとつが、会社の未来に本気で向き合う時間だったのです。

― 150億企業を目指して――対話と共創の文化を育てる

私たちの掲げる売上150億円という目標は、一朝一夕には届かない大きな山です。
でも今回のプログラムを通して、その山を登るための“登山ルート”を、自分たちの手で描くことができました。

私たちは、これからも「全員参加で、対話を持って」一歩ずつ進んでいきます。
今回得た学びと気づき、そして何より「一緒につくる楽しさ」を胸に、未来への軌道を力強く描き続けます。

近江屋株式会社様 ——「成長軌道構築プログラム」導入から1年の軌跡 ——

“静かに、しかし確実に、組織が動き出した1年。” 自主管理経営に基づく「成長軌道構築プログラム」導入から約1年、財務指標としての成果はこれからの段階だが、組織全体に確かな意識変化が芽生えている。管理職層の成長、理念の浸透、そして全社的な気づきと対話の定着——これらが「静かな熱源」となり、業界の常識を超えた市場創造へと向かう足がかりが築かれている。今後、仕組みと仕組みを連動させながら“粘り強く”成長の軌道を登っていくステージへと踏み出す。

代表取締役 房本 伸也 様

https://www.kyoto-omiya.co.jp/

― 部門別の取り組みと他部門からの評価

管理部(S部長)

見えなかった仕事が、見える仕事へ。”
一般職女性が多く、当初は導入への抵抗もあった管理部だが、今では期日通りに自主管理経営報告書を提出。業務の見える化や、他部門への情報発信の役割を担うように変化している。また、CU(近江屋カレッジ)と人事評価との連携を模索し、社内コミュニケーションの核としての存在感を高めている。

  • 他部門からの評価
  • 管理部の仕事が「見える」ようになり、連携しやすくなった(営業部C氏)
  • 「発言→責任→自信→誇り」という循環を感じる(営業部T氏)
  • 書き込みによってコミュニケーションが取りやすくなった(商品部T氏)
  • 誰が何をしているかが明確になり、他部門理解が深まった(商品管理部A氏)
  • 力を入れるべき業務が明確になってきた(社長)

商品管理部(A部長)

書く文化”が部門の力を引き出す。”
全社の中でも最も書き込み量が多く、参加意識の高さが際立つ商品管理部。経営の仕組み同士をリンクさせる視点や、近江屋カレッジでの講師経験を通じたノウハウ共有も始まり、リーダー層の自己変容が加速している。今後はクラウド運用も視野に入れ、さらに一歩先の「見える化」へ。

  • 他部門からの評価
  • 要望や意見が明確で、会社のレベルアップに繋がる(管理部S氏)
  • 書き込み量が多く、行動へのヒントが得られる(商品部T氏)
  • 書く内容がユニークで、人となりが伝わってくる(営業部T氏)
  • 気遣いが文面から伝わってきて、視野が広がった(営業部C氏)
  • 言語化された気づきが多く、実務に活かしやすい(新商品部I氏)

商品部(T部長)

振り返りが、チームの習慣へ。”
個人月報シートによる前月の振り返りと次月の対策の明文化が習慣化されつつあり、温度差はあるもののチームとしての思考が深まっている。近江屋カレッジでの講師経験を経て、「伝える力」や「仕組みへの還元」への意識も高まり、社内での情報発信力向上が見込まれている。

  • 他部門からの評価
  • 社内向け情報共有の視点がまだ不足(管理部S氏)
  • 月報が「よそ行き」になっている印象も(商品管理部A氏)
  • 結果にとどまらず、プロセスや未来視点を期待(営業部T氏)
  • 部署外では得られない情報があり、面白い視点がある(営業部C氏)
  • 発信頻度や内容の厚みを増すとさらに良くなる(新商品部I氏)

営業部(Tマネージャー)

フォーマット改革が書く文化を生んだ。”

報告書フォーマットを改善したことで、書き込みに苦手意識を持っていたメンバーの参加も進む。問いかけや気づきの機会になっている。今後の課題は、他部門への関心と連携意識をどう育てていくか。人事制度との評価連動を組み込むことで、学習と業務成果の接続を目指す。

  • 他部門からの評価
  • 催事単位の記述が具体的でイメージしやすい(管理部S氏)
  • 良い点を互いに刺激し合っているのが見える(商品管理部A氏)
  • 営業と商品部の連携課題が見えてきた(商品部T氏)
  • 行動目標や対策の精度が高く、他部署にも好影響(営業部C氏)

営業部(Cマネージャー)

コメントが、対話の場を創り出す。”
書き込みの質にはばらつきがあるものの、C部長自らがコメントを丁寧に返すスタイルにより、対話文化が根づきつつある。参加意識の向上や、報告書のフォーマット改善など、小さな変革を重ねながら進化を続けている。

  • 他部門からの評価
  • コメントが対話につながっていて良い(管理部S氏)
  • 書き込むスキルの向上が見られる(商品管理部A氏)
  • 他部署にも伝播する取り組み姿勢が素晴らしい(商品部T氏)
  • 対話形式の取り入れが参考になった(営業部T氏)
  • 書きやすく、構成もバランスが良い(新商品部I氏)
  • コメントがきめ細かく、気づく力が高まっている(社長)

新商品部(I部長)

月替わりリーダー制が、主体性を引き出す。”
毎月の報告書をリーダー持ち回り制で進めることで、責任感と発信力が育成されている。社内でも“感謝のやり取りが多い部門”として評価されており、部署内外の相互理解にも大きく寄与している。

  • 他部門からの評価
  • 成功事例が「社内営業」になっている(管理部S氏)
  • 普段発言が少ない人の変化が見られた(商品管理部A氏)
  • 感謝のやり取りが多く、読みやすい(商品部T氏)
  • 月ごとのリーダー制が責任意識を育てている(営業部T氏)
  • 部門の役割分担が明確になり、理解が深まった(営業部C氏)
  • 数値項目が多く、絞り込みと視認性の工夫が望まれる(社長)

― プロジェクトを通して得たPJメンバー個人の気づき

問い直し、言葉にし、未来を描く——すべてが自己変容につながった。”

  • 経営の仕組みを「繋ぐ」視点の難しさと必要性を実感(I氏)
  • どこから、何から連携するかという新たな問いが生まれた(C氏)
  • 書くことが思考のトレーニングとなり、成長を実感(営業T氏)
  • すべてが自分たちの手で生まれたことへの責任と使命感(商品部T氏)
  • 書き出すことで思考が整理され、戦略マップと結びついた(A氏)
  • 難しくても「走りながら進める」ことの大切さを再認識(S氏)

― 結びに(レポーター堀越)

書くことが、対話になる。対話が、組織を変える。”
近江屋株式会社様における「成長軌道構築プログラム」は、単なる制度導入ではなく、組織の本質に迫る挑戦でした。近江屋の「繭」を土台として、書く文化と対話の文化が同時に育ち、全社員の“気づく力”が確実に高まっています。経営を一部門の仕事にせず、「全社員のもの」にするための第一歩として、非常に示唆に富む取り組みです。

熊本日産自動車株式会社

「任せる勇気」がもたらしたリーダーシップの転機 今回の成長軌道構築プロジェクトを通じて、私は自分自身が物事を率先して主導する傾向があることを、あらためて認識しました。この気づきは、私にとって自らのリーダーシップスタイルを見つめ直す貴重な機会となりました。 これまでは、完璧を追い求めるあまり、現場に業務を任せることをどこかでためらっていた自分がいました。しかし、「たとえ今は80点でも、信頼して任せることで、将来的には200点の力を発揮できる人材に成長していく」――その実感を得られたことは、私にとって大きな学びでした。 特に、自主管理経営書を現場で展開するという高いハードルに対し、以前は「難しいから自分がやらねば」と抱え込んでいました。ですが今では、「難しいからこそ、現場が成長する絶好のチャンス」と捉え直し、私は支える立場に徹することの重要性を理解しました。 実際、「任せる」と腹を決めた瞬間、それまでどこか他人事だったメンバーの目の色が変わり、真剣に議論へと向かう姿を目の当たりにしました。その変化は、私にとって鮮烈で、多くの気づきを与えてくれました。 2024年6月からは、熊本日産と日産プリンス熊本の社長を兼務することになり、日々の業務量は倍増しています。そんな中で、この「任せて支える」というスタンスを今のタイミングで学べたことは、今後の経営において大きなアドバンテージになると確信しています。 2~3社の経営といえども、さらに多くの事業所や従業員を抱える企業の存在を思えば、これは私自身の器を広げるチャンスでもあると感じています。その可能性を、しっかりと育んでいきたいと思います。 また、企業内大学の構想に関しても、グループ全社員大会で「VISIONMAP」を共有した際、多くの社員から関心の声や問い合わせが寄せられました。完璧な形でなくとも、少しずつでも目に見える形で共有し、共に育てていく。この姿勢を大切にしていきたいと願っています。 今回のプロジェクトを通じて、私は「任せる勇気」と「信じる力」の真の意味を体得しました。これからも、現場とともに成長し続ける組織づくりに邁進してまいります。

代表取締役社長 古荘 雅教 様

https://ni-kumamoto.nissan-dealer.jp/

― Q1. 自主管理経営報告書の運用状況はどうですか?どんな変化・成果がありましたか?

導入から10ヵ月が経ち、「自主管理経営報告書」の内容が着実に深化しているのを実感しています。特に大きな変化は、全店舗から集まった報告書をもとに、PJメンバーが優れた取り組みをピックアップ・編集した『今月の好事例集=店舗成長通信』を毎月発行・共有するようになったことです。

この取り組みにより、他店舗の創意工夫が可視化され、「良い取り組みを称賛し、取り入れ、さらに進化させる」という“成長のスパイラル”が現場で回り始めました。その結果、現場全体の熱量が格段に高まり、会社全体の業績にもポジティブな影響が表れています。

また、一人ひとりの努力や成果が報告書を通じて可視化されることで、称賛される機会が増え、仕事へのやりがいやエンゲージメントが飛躍的に向上していることを実感しています。

 

 

― Q2. 自主管理経営報告書のグループ内での拡がりはどうですか?

導入当初の6ヵ月間は、PJメンバーが主導してすべての取り組みを牽引してくれていました。しかし、熱をより早く、より広く波及させるために、途中から各店舗から月替わりで“新たな熱源”となるメンバーを選出し、彼らとともに『店舗成長通信』を作成するスタイルに切り替えました。

この仕組みにより、「こんなに熱い想いで作っていたとは気づかなかった」「他店舗の報告書をもっとしっかり読み込む必要があると痛感した」などの気づきが毎回生まれ、報告書を通じた学びと熱量の伝播が加速していることを強く感じています。

― Q3. 企業内大学の開講状況はどうですか?

まずは新人教育の再構築から着手し、今年4月入社の営業職向けに「1年間の教育カリキュラム」、整備士職向けに「3年間の教育カリキュラム」をそれぞれ策定・開講しました。

従来の“思いつき”や“不定期”での教育実施から脱却し、目的・スケジュールを明確に定め、さらに現場で活躍する社員を事前に講師として任命することで、体系的かつ実践的な“企業内大学”をスタートさせることができました。

― Q4. PJメンバーのその後の成長・活躍の様子をお聞かせください。

もっとも印象的なのは、役職や職種を問わず、メンバー一人ひとりの「視座が明らかに高くなった」ことです。

以前は、目の前の業務に追われる働き方が主流でしたが、現在では「この仕事は会社のビジョン実現にどうつながるのか?」「このやり方で本当に良いのか?」といった、より高次の視点で物事を捉え、主体的に行動できるメンバーが育ってきました。この変化は、経営者として非常に頼もしく、心強く感じています。

― Q5. その他、何でも結構ですのでコメントをお願いいたします。

羽鳥先生にご支援いただいたことは、当社にとってまさに“大きな転機”となりました。これまで漠然として形になりにくかったノウハウや、個人の努力・想い、会社が目指すビジョンなどが、先生のサポートを通じて明確な形となり、会社の資産として着実に蓄積され始めています。

その結果、当社はこれまでとは桁違いの成長軌道に乗り始めたという確かな手応えを得ています。今後も先生のご支援を賜りながら、一歩ずつ着実に成長を重ねていきたいと願っています。

こ成功事例が直接聞けるセミナーに参加してみませんか?